私のプロフィール その②
実家にこもって翻訳をしているとき、仕事をくださった方から連絡が入ります。
「あなたに翻訳頼んでる本の著者が今度東京で講演会するんだけど
通訳依頼してた人が都合が悪くなって、代わりの通訳を探している。
訳している本の内容と同じ講演になるから、あなた、やってくれないか?」
今ならばよくわかるのですが、翻訳と通訳は大きく違う仕事です。
翻訳であれば、締め切りまでの間、もしわからない箇所があったとしても辞書もひければ、外国人にみてもらうこともできます。でも、通訳者は、何にも頼らずにその場で即反応をしなくてはなりません。その大変さもよくわからないまま、先方もとにかく急いで代わりを探さなくてはならないので「わからないときは、横から助け舟を出すから大丈夫」と背中を押してきます。
それでとうとう、この仕事を引き受けることにしました。
で、この仕事がうまくいってしまったのです。
なんせ、訳し終わったばかりの本の章立てそのままに講演が進んでいきますから、演者が次に何を話すのか、手に取るようにわかるのです。予想外のパフォーマンスに仕事の依頼者も大喜び。
「あなた、良いじゃない。今度からあなたに通訳頼むから」と言っていただき、
それから3年間ほど、こちらの会社からお仕事をいただくことになりました。